子どもの発達には一人ひとり違いがあります。
一方、学習やコミュニケーション、集団生活などに困難を抱えていても、その特性が周囲に気づかれず、必要な支援につながらない場合があります。
私は、支援を必要とする子どもたちをできるだけ早い段階で把握し、一人ひとりの特性に応じた支援につなげることが重要だと考え、子どもの発達支援や相談体制について議会で継続して質問してきました。
2021年 早期発見・早期支援について質問
2021年6月18日の川崎市議会第2回定例会では、知的障害のある方への支援とともに、子どもの発達を早期に把握し、必要な療育や支援につなげる取組について質問しました。
3歳児健康診査や5歳児健康診査は、子どもの発達の状況を確認し、必要な支援につなげる重要な機会です。
市からは、3歳児健康診査では、医師、保健師、心理士等の多職種が診察や面接を行い、子どもの発達や社会性を確認し、必要に応じて個別相談や療育のための支援を行っているとの説明がありました。
5歳児健康診査についても、学校生活に向けて障害の早期発見・早期療育につなげる重要な機会として、医師が個別の支援が必要と判断した場合には、区役所の地域みまもり支援センターにつないでいるとのことでした。
また、2020年度には、乳幼児健康診査を通じて発達の遅れや偏りの可能性が指摘され、地域療育センターを紹介された子どもが約700人いたことも明らかになりました。
「気づかれず、支援につながっていない人」への支援を
この質疑では、大人になってから初めて支援につながるケースについても取り上げました。
仕事が長く続かないなどの困難を抱えながら、その背景にある特性に本人や周囲が気づかず、必要な支援を受けないまま生活している方もいます。
こうした状況を踏まえ、支援を必要としているにもかかわらず、その必要性に気づかれず、生きづらさを抱えている方を適切な相談や支援につなげる体制を整えることを求めました。
境界知能や発達上の困難を抱える子どもへの支援
学校生活の中でも、学習や友達との関わりなどに困難を抱えていても、知的障害などの明確な診断には至らず、必要な支援につながりにくい子どもたちがいます。
そこで、境界知能や発達障害のいわゆる「グレーゾーン」など、支援の必要性が見えにくい子どもたちについて、市の認識と学校での対応を質問しました。
教育委員会からは、学習や友達との関わりに困難のある児童生徒は通常の学級にも一定の割合で在籍しており、一人ひとりの教育的ニーズに適した支援が必要との認識が示されました。
学校では、学級担任や教科担当が子どもの状況を把握し、ケース会議などを通じて支援方法を検討するとともに、必要に応じて通級指導教室や特別支援教育センターなどの専門機関につないでいるとの答弁がありました。
「気軽に相談できる窓口」として子ども発達・相談センターを開設
その後、川崎市では2021年10月、川崎区と幸区に「子ども発達・相談センター」を開設しました。
地域療育センターは専門的な支援を行う重要な機関ですが、市からは、発達について気軽に相談できる窓口も必要だったとの認識が示されています。
そこで、2022年9月26日の決算審査特別委員会では、子ども発達・相談センターの開設後の実績や、これまで相談につながっていなかった家庭への支援について質問しました。
相談件数が約34%増加
市の答弁では、川崎区・幸区の子ども発達・相談センターについて、開設から2022年6月までに360人から相談を受け、このうち85人が併設する児童発達支援事業所を利用したとのことでした。
また、
- 所属機関への移行支援 199件
- 総合教育センターや児童相談所等への紹介 93件
- 福祉サービス等の利用 233件
など、相談後も必要な支援につなげていることが確認できました。
さらに、子ども発達・相談センターと南部地域療育センターで受けた相談は、前年同期の503件から673件へと、約34%増加しました。
市からは、子ども発達・相談センターの開設によって、
「これまで相談につながらなかった方々の多くに対応できたものと考えている」
との答弁がありました。
私は、できるだけ早い段階で子どもの特性を理解することは、その子の個性を伸ばし、生活しやすい環境を整えていく上でも重要であると指摘し、相談支援体制のさらなる充実を求めました。
また、子どもに関する相談窓口が複数存在することから、関係局区が連携し、分かりやすく相談につながる体制づくりも求めました。
その後、相談体制は全7区へ拡大
子ども発達・相談センターは、その後、市内各区へ順次拡大されました。
現在は、川崎区、幸区、中原区、高津区、宮前区、多摩区、麻生区の全7区に「きっずサポート」が設置されています。 川崎市公式サイト
対象は発達に心配のある18歳未満の子どもとその保護者で、相談を受けながら、子どもの特性に応じた対応方法や福祉サービスを一緒に考えています。
また、保護者の同意を得た上で保育所、幼稚園、学校などと連携し、未就学児については必要に応じて児童発達支援事業所等を活用した支援も行われています。川崎市公式サイト
現在、川崎市は、言葉の遅れなど子どもの発達について心配がある場合、居住区の「きっずサポート」で相談を受け付けることを案内しています。川崎市公式サイト
今後も取り組みます
子どもの発達の状況や困りごとは、一人ひとり異なります。
大切なのは、診断名や障害の有無だけで判断するのではなく、その子がどのようなことに困っているのかを早い段階で把握し、必要な支援につなげていくことです。
また、保護者が子どもの発達について不安を感じたときに、「どこに相談すればよいのか分からない」という状況をできるだけなくしていくことも重要です。
今後も、子どもたち一人ひとりの特性に応じた支援と、保護者が安心して相談できる体制の充実に取り組んでいきます。
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