川崎区の小田周辺地区には、木造住宅が密集する地域があり、大規模な地震や火災が発生した際に、緊急車両の通行、消火・救急活動、住民の避難経路をどのように確保するかが重要な課題です。
私は2021年6月の川崎市議会で、東京都などの取組を参考に、密集市街地において防災上重要な道路を位置付け、計画的・重点的に整備するよう求めました。
その後、小田周辺地区では「地区防災道路」という考え方が整備プログラムに位置付けられました。
私はさらに、地震によって電柱が倒壊し道路を塞ぐリスクを減らすため、地区防災道路の無電柱化についても継続して取り上げています。
2021年 「防災上重要な道路」のネットワーク化を提案
2021年6月18日の第2回定例会では、東京都の「防災生活道路」の取組を紹介しました。
東京都では、緊急車両の通行や円滑な消火・救急活動、避難を可能とする防災上重要な道路を位置付け、道路ネットワークの確保を進めています。
荒川区や足立区では、こうした道路における無電柱化の取組も行われていました。
そこで私は、
「川崎市の密集市街地においても、防災上の観点から同様の取組を実施してほしい」
と要望しました。
2023年 小田周辺地区に「地区防災道路」が位置付け
その後、2023年の「小田周辺戦略エリア整備プログラム」の見直しでは、道路機能を強化するため、**「地区防災道路網の形成」**が示されました。
防災上重要な道路を「地区防災道路」として選定し、都市計画道路と組み合わせることで、災害時に機能する道路ネットワークを形成していくものです。
2023年12月の議会では、2021年に取り上げた「防災生活道路」の考え方にも触れながら、地区防災道路の選定基準や整備方法について確認しました。
市からは、
おおむね1km間隔に広幅員道路、約250m間隔に6m道路を配置することを基準として地区防災道路を選定している
との説明がありました。
また、整備に当たっては、関係する住民への丁寧な説明と意見交換を行っていくとの答弁がありました。
地区防災道路の「無電柱化」を提案
道路を確保しても、大規模地震の際に電柱が倒れて道路を塞いでしまえば、緊急車両の通行や住民の避難に支障を来す可能性があります。
そこで私は、
「地区防災道路を災害時に有効に機能させるため、地区防災道路についても無電柱化を推進すべき」
と提案しました。
これに対して市は、
「地区防災道路の無電柱化については、防災上有効であると認識している」
と答弁。
一方で、技術的な制約や地域との合意形成などの課題があるとして、他都市の事例調査や検討を行うとの方針が示されました。
2025年 市が他都市の事例収集・課題整理へ
それから約2年。
2025年9月19日の決算審査特別委員会で、私は地区防災道路の無電柱化について、その後の検討状況を改めて確認しました。
市からは、
「令和7年度の検討委託業務において、他都市の密集市街地における事例収集を行うとともに、課題の整理などを行っている」
との答弁がありました。
2023年の段階では「他都市の事例調査や検討を行う」との答弁でしたが、2025年度には、実際に検討委託業務の中で事例収集と課題整理が行われる段階まで進んでいることを確認しました。
一方、無電柱化には多額の費用や長期間の工事が必要となるほか、狭い道路では技術上の制約などもあります。
そのため市は、国が進める低コスト化の検討や他都市の動向を踏まえながら、小田周辺地区における地区防災道路の無電柱化について、引き続き調査していくとしています。
小田周辺地区の防災を「重層的」に
小田周辺地区では、道路や無電柱化だけで防災対策が完結するわけではありません。
この地域では、密集市街地対策に加え、浸水対策も重要です。
そこで2025年の決算審査では、地区防災道路の整備とともに、
防災空地、土のうステーション、消火器やスタンドパイプ、AED、浸水対策などを組み合わせ、関係局区が連携した「重層的な防災対策」を進めること
を求めました。
地震、火災、豪雨など、災害の種類は一つではありません。
それぞれを別々に考えるのではなく、地域全体の防災力を高める視点から施策を組み合わせていくことが重要です。
災害時に「本当に使える道路」へ
2021年に、密集市街地における防災上重要な道路のネットワーク化を求め、その後、小田周辺地区では「地区防災道路」が整備プログラムに位置付けられました。
さらに2023年には地区防災道路の無電柱化を提案し、2025年度には市が他都市の事例収集や課題整理を進めていることを確認しました。
2021年 防災上重要な道路のネットワーク化を要望
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2023年 「地区防災道路網」が整備プログラムに位置付け
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2023年 地区防災道路の無電柱化を提案
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2025年 市が他都市事例の収集・課題整理を実施
道路を整備すること自体が目的ではありません。
大規模災害が発生したときに、消防車や救急車が通れる、住民が安全に避難できる――「本当に使える道路」を確保することが目的です。
今後も、小田周辺地区の防災力向上に向け、地区防災道路の整備と無電柱化を含めた取組を注視していきます。