子どもの成長や発達は、保護者にとって大きな関心事です。
特に1歳半頃は、「まだ指差しをしない」「言葉が少ない」など、周囲の子どもとの違いが気になり、インターネットで調べることで、かえって不安が大きくなってしまうこともあります。
私は2024年12月18日の川崎市議会第4回定例会で、1歳6か月児健康診査の問診票と、子どもの発達について保護者が過度な不安を抱かないための情報発信について質問しました。
1歳6か月児健診の問診票には「発達」に関する8項目
川崎市では、1歳6か月児健康診査のお知らせを各家庭に送付しており、同封される問診票には31項目の設問があります。
そのうち8項目は、子どもの発達に関係する質問です。
市の答弁によると、その内容は大きく、
指差し行動に関する3項目、発語等に関する2項目、他の子どもへの関心等に関する3項目
となっています。
指差しでは言葉を獲得する前の非言語的コミュニケーション、発語では言語の理解や獲得状況、他者への関心では愛着や他人への関心などを確認しています。
ただし、これらの質問だけで判断するのではありません。
保護者から普段の子どもの様子を丁寧に聞き取り、健診時の発育・発達状況なども確認した上で、今後のフォローが必要かどうかを総合的に判断するとの説明でした。
子どもの発達は「環境」にも影響される
私は、問診票に記載された行動ができない場合でも、必ずしも発達の遅れや障害だけが原因ではなく、養育者との関わりなど、環境による影響もあるのではないかと質問しました。
市からは、1歳6か月頃は、養育者との情緒的・共感的なコミュニケーションを通じて社会性が発達し、言語を獲得していく時期であり、
「子ども側の要因だけでなく、日々の養育者や周囲との関わりなど環境的な要因にも影響される」
との答弁がありました。
1回の健診だけで発達障害や知的障害を明確に判断するものではない
ここは、保護者の方にぜひ知っていただきたいポイントです。
私は、
「1歳6か月児健康診査で、発達障害や知的障害を明確に判断できるのか」
と確認しました。
市の答弁は、
「1歳6か月頃の子どもは成長発達が著しい時期であることから、発達障害、知的障害について1回の健診で明確に判断することは難しい」
というものでした。
1歳6か月児健診は、1回の問診や健診だけで診断を確定する場ではありません。
身体的な発育や精神発達、運動機能、視聴覚機能などを確認し、必要に応じて助言や支援、専門機関などにつなげるためのスクリーニングの機会として実施されています。
「指差しができない」だけで不安になってしまう保護者も
一方で、実際に問診票を受け取った保護者から、
「自分の子どもは指差しができない」
と心配し、インターネットで検索すると発達障害などに関する情報が数多く表示され、さらに不安が大きくなってしまうという声もいただきました。
乳幼児健診は、疾病や発達上の課題などを早期に把握し、必要な医療や療育、支援につなげるために大変重要です。
しかし、その一方で、健診そのものが保護者に必要以上の不安を与えてしまうことは避けなければなりません。
そこで私は、問診票の項目について、
「なぜこの質問をするのか」
という目的を分かりやすく説明するとともに、
「できていないことが、直ちに発達の遅れや障害を意味するものではない」
ということも、健診のお知らせなどで丁寧に伝えるべきではないかと提案しました。
市が「個別通知の記載を工夫する」と答弁
これに対して市も、インターネットなどで育児や発達について簡単に情報を得られる一方、それによって不安を感じる保護者も多いとの認識を示しました。
そして今後について、
「子どもの発達について保護者が過剰な不安を抱かないよう、発達には個人差があることや家庭での子どもとの関わり方等、乳幼児健康診査の個別通知への記載を工夫するなど丁寧な情報発信について検討していく」
との答弁がありました。
今回の質問で私が特に求めたかったのは、この部分です。
早期発見と「保護者に寄り添うこと」を両立する健診へ
乳幼児健診による疾病や発達上の課題の早期発見は重要です。
必要な支援を早い段階から受けられるようにすることは、子どもの成長を支える上でも欠かせません。
一方、1歳半頃は発達の個人差も大きい時期です。
問診票の一つの項目だけを見て、保護者が「うちの子は大丈夫だろうか」と必要以上に不安を抱えるのではなく、専門職と一緒に子どもの成長を確認し、必要な場合には次の支援につなげる機会であることを、より分かりやすく伝えることが大切です。
私は、早期発見・早期支援という乳幼児健診の大切な役割を守りながら、保護者の不安にも寄り添った健診と情報発信となるよう、今後も取組を確認していきます。